料理の風味を高めてくれる「ニンニク」は、さまざまな料理に欠かせない存在だ。抗菌作用など実用的な優れた効果をもつが、あまり大量に食べると頭痛や出血を招くなどの副作用もある。ニンニクの長所と注意点を抑えて、ワンステップ上の活用法をマスターしたい。
◆効果1.免疫系をサポート

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ニンニクには抗菌作用があると言われており、2つの方法でウイルスから身体を守ってくれると考えられている。1つ目は細胞への侵入をブロックする作用であり、2つ目は侵入したウイルスを撃退できるように免疫力を高める作用だ。とくに高齢になると免疫力が低下するため、ニンニクが長寿に貢献するという考え方もあるようだ。
◆効果2.コレステロール値の改善

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ニンニクはコレステロール値を低く保ち、心疾患のリスクを下げてくれる可能性がある。総コレステロール値とLDLコレステロール値を最大で15%程度低くするとの研究がある(1、2、3)。肝臓でコレステロールが作られるのを抑制する働きがあるとされている。
◆効果3.風邪予防

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ニンニクエキスやサプリメントなどを用いた実験により、普段からニンニクの成分を摂取しているグループでは、風邪にかかる率が60%以上低下することがわかっている。風邪が治るまでの日数も70%短くなり、通常回復に5日かかるところが1日半で完治したという。別の研究は回復期間が短くなるわけではないとしているが、少なくとも予防効果はありそうだ。
◆効果4.栄養豊富、低カロリー

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マンガンやビタミンB6、ビタミンCなど、ニンニクには多くの種類の栄養素が含まれている。一方でカロリーは、1片(3グラム)あたり4.5キロカロリーと非常に低い。炭水化物の含有量も1グラムと少なめだ。わずかな量で食卓を風味豊かにする効果もあるため、無理せず摂取できるのも嬉しいメリットと言えるだろう。
◆効果5.血圧抑制

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高血圧のかたにも、ニンニクは吉報となるかもしれない。ニンニク抽出物のサプリメントを利用した研究では、24週続けて摂取したところ、医薬品のアテノロールと同程度の効果が確認された。動脈硬化を予防する作用もあり、これも血圧の安定に貢献している可能性がありそうだ。
◆効果6.認知症予防

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抗酸化作用を持つニンニクは、フリーラジカルによる酸化作用を抑え、老化をスローダウンさせてくれると言われる。この作用は、前述のようにコレステロールと血圧を抑制する効果と併せ、アルツハイマー病や認知症など脳の異常のリスクを抑えてくれる可能性がある(1、2)。
◆効果7.炎症を抑制

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炎症からくる痛みを鎮めるのに、ニンニクが一役買ってくれるかもしれない。2020年の研究によると、炎症性の疾患である関節リウマチに悩む女性たちにニンニクサプリを8週間投与したところ、プラセボを投与したグループと比較して痛みと疲労感の軽減が確認された。炎症に関連する特定のタンパク質の活動を抑えるためだという。
◆効果8.骨を健康に

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健康な骨の維持にもニンニクが有効だ。動物実験によるとニンニクは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの値を高め、骨量の減少を予防してくれる。ニンニクだけでなくタマネギにも同様の効果があり、変形性関節症にも有効だと考えられている。
◆効果9.疲労回復

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古代からニンニクは運動能力を高めるとされ、古代ギリシャのオリンピック選手たちの間でもパフォーマンス向上の目的で重宝されてきた。実際に運動能力が向上するかについては研究によって結果が分かれているものの、少なくとも運動後の疲労回復を促す効果があるとの結果が出ている。
◆効果10.がん、腫瘍のリスク低減

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一部の人々は、前立腺がん、乳がん、胃がんなど、さまざまながんの予防としてニンニクを用いている。すべてのがんへの効果が研究で証明されているわけではないが、中国の研究は肺がんのリスクを44%下げる効果があるとし、前立腺がんの予防効果もあるとしている。アメリカの研究では、脳腫瘍の一種である膠芽腫(こうがしゅ)の細胞を破壊する効果が報告されている。
◆危険性1.出血

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さまざまな効果を秘めたニンニクだが、過剰な摂取による副作用には注意が必要だ。血液を流れやすくする効果があることから、内出血を含めた出血のリスクを高めることがある。同様の効果を持つ薬を服用している際は、とくに摂取を避けたほうが良いかもしれない。また、手術前の摂取も望ましくなく、少なくとも7日前にはニンニクを断つべきとのアドバイスもある。
◆危険性2.血圧低下、めまい

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血圧を抑える作用があるニンニクだが、食べすぎると想定よりも過剰な低下が起きることがある。とくに高血圧の薬を服用している場合、すでに血圧を下げる作用が働いていることから望ましくない。低血圧に陥り、めまいなどの症状を感じる可能性がある。
◆危険性3.肝臓に負担

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ニンニクには強力な抗菌作用をもつアリシンと呼ばれる化合物が含まれる。大量に摂取すると肝臓への毒性を顕し、ダメージを与えることがあるので気をつけたい。ラットを使用した実験では日常的に少量を摂取する分には問題なかった一方、一度に大量に摂取した場合に毒性が確認された。
◆危険性4.口臭

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ニンニクは口臭の原因となり、場合によっては体臭につながることが判明している。特有の強い臭いは、ニンニクに効能をもたらしている硫黄化合物によって引き起こされている。生のニンニクの方が成分が失われにくく効能も高いが、その分だけ口臭が強くなってしまうのは頭の痛い問題だ。
◆危険性5.下痢

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タマネギやアスパラガスなどと同様、ニンニクにはフルクタンと呼ばれる成分が含まれている。フルクタンには不耐症があり、人によっては消化不良、膨満感、腹痛などを引き起こす。また、空腹時にニンニクだけを食べると下痢を招きやすいため、ほかの食品と一緒に食べるよう心がけよう。
◆危険性6.胸焼け

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たっぷりとニンニクが効いた料理を食べすぎて、胸焼けを起こしてしまったという経験はないだろうか。より深刻な場合には、逆流性食道炎や吐き気などにつながることもある。ハーバード大学医学部は、逆流性食道炎の原因となる可能性のある物質がニンニクに含まれていることを突き止めた。逆流を防ぐ食道の筋肉を緩めてしまうのだという。
◆危険性7.湿疹

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ニンニクを調理する過程で長時間手に触れていると、肌トラブルの原因になることがある。含まれる特定の酵素が肌への刺激となり、湿疹などのアレルギー症状を招いた事例が報告されている。吹き出物やかぶれの原因にもなるため、長時間の作業になるとわかっている場合は、炊事用手袋の着用などで予防したい。
◆危険性8.発汗

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複数の研究により、長期間ニンニクを摂取し続けると発汗作用が促進され、大量の汗をかきやすくなることが指摘されている。必ずしもそうなるというわけではなく、個人によって汗の量に変化がある人とそうでない人がいるようだ。